Yves Tumor(イヴ・トゥモア)、Warpからリリースの通算5作目のアルバム『Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)』(2023年3月17日リリース)からの3rdシングル"Heaven Surrounds Us Like a Hood"。
・Yves Tumor - Heaven Surrounds Us Like a Hood (Official Video)
Pink Guy名義でも音楽活動を行った後、アメリカを拠点とするアジアのカルチャーを発信するレーベル・88rising(88↑)でJoji名義の音楽活動へシフト。それまでのコミカルなイメージとは打って変わって、James Blakeとも比較されるような音楽性に変化しています。上の動画と下の動画が同じ人とは思えない(笑)。ちなみに"SLOW DANCING IN THE DARK"は、今これを書いている時点(2022年1月時点)で2.9億回も再生されています。
僕は長い間Bonoboの大ファンで、彼と音楽を共有できることはとても特別な体験なんだ。
サイモンがトラックを送ってくれて、僕は実際に3つのヴァースと3つコーラスを書いた。リモートで制作をしていると、アイデアが相手のビジョンに合っているかどうかを判断するのはとても難しいので、余分なくらいのアイデアを送りたかったんだ。そして、彼がお気に入りのヴァースとコーラスを選んで、僕はそれをロンドンのスタジオで録音した。- Jordan Rakei
同じNinja Tuneに所属するジョーダン・ラカイの作品もチェックしたい。
・Jordan Rakei: NPR Music Tiny Desk Concert
■Bonobo -『Fragments』収録曲リスト
1. "Polyghost" (featuring Miguel Atwood-Ferguson)
2. "From You" (featuring Jordan Rakei)
3. "Rosewood"
4. "Otomo" (featuring O'Flynn)
5. "Tides" (featuring Jamila Woods)
6. "Elysian"
7. "Closer"
8. "Age of Phase"
9. "From You" (featuring Joji)
10. "Counterpart"
11. "Sapien"
12. "Day by Day" (featuring Kadhja Bonet)
・Apple Musicで試聴&ダウンロード
・BICEP | SAKU (FEAT. CLARA LA SAN) (Official Video)
本人たちも90年代のR&Bからの影響を語っていますが、アメリカのR&BよりもUKガラージからの影響がデカイですね。ボーカルでフィーチャーされているClara La Sanの声もその辺りの雰囲気を彷彿させます。ミュージックビデオも面白い。
ちなみにClara La Sanって誰だ?って調べると、Hyperdub所属のDVAやYves Tumor(イヴ・トゥモア)の作品に参加しているシンガーって書いてあって、これまた誰だ?って感じになって無限ループになってしまって楽しい。こうやってまた違うアーティストに出会えるのも良いもんです。この辺りはまた調べるとして、とりあえず3組の動画を貼っておきます。
・clara la san - dont ask
・DVA: Ganja (Hyperdub 2012)
・Yves Tumor - Gospel For A New Century (Official Video)
ROUSSOによるコーラスがクセになる曲ですね。2017年のデビューアルバム『Off The Radar』の時はもっと鋭利で無機質な感じのサウンドのイメージが強かったですが、この曲はなんかオーガニックなイメージ。ヒップホップ色も強いですね。そろそろ次のアルバムが気になるころですが、こういう曲が増えてると面白いな。無限に階段を登るミュージックビデオも面白いのでぜひ。
・Noga Erez - "VIEWS (feat. ROUSSO)" [Live] - Kids Against The Machine Vol. 1
・Mura Masa - Deal Wiv It with slowthai (Official Video)
Joy Division/New Order、Talking Headsなどポストパンク/ニューウェーブを彷彿させるベースとドラムに、slowthaiのいかにも英国ラッパーなイントネーションがたまらない。the streetsのマイク・スキナーを思い浮かべる人も多いかも。歌詞の内容としては成功をおさめ貧しい生活から脱出した後、地元に戻ったら妬まれるというもので、スロータイ自身の体験が元になったであろうものになっています。
「Deal Wiv It」(=「Deal with it」)は直訳すると「それに対処しろ」って意味だけど、「不愉快で残念なことだけど、それに向き合っていくしかない」というようなニュアンスがあるそうで、まさにこの曲のテーマですね。これをふまえてミュージックビデオを見ると、家を飛び出し傍若無人に走るスロータイが、最後にMura Masaの乗るオープンカーに飛び乗るシーンが痛快ですね。
ちなみにこの2人はslowthaiの2019のデビュー作『Nothing Great About Britain』(全英9位)でもコラボしているのでこちらもチェック。
・slowthaiとは
1994年12月18日、UKはノーサンプトン生まれの25歳。本名:Tyron Kaymone Frampton。英リングスの公営住宅の母子家庭で育つ。バルバドスとアイルランドの血を引く。2017年にインディーレーベルと契約を結びキャリアをスタート。BBCの期待の新人リスト「BBC Sound of 2019」の4位に選ばれる(Mura Masaは2016の5位)。2019年のデビューアルバム『Nothing Great About Britain』が全英チャート9位になり、英マーキュリープライズにもノミネート。slowthaiという名前は彼独特のスローな喋り(SlowなTyron)に由来する幼少期のニックネームから。
Mura Masaとslowthai、どちも今後の活動が楽しみですね。
■Mura Masa -『R.Y.C.』収録曲リスト
1. "Raw Youth Collage"
2. "No Hope Generation"
3. "I Don"t Think I Can Do This Again" (with Clairo)
4. "a meeting at an oak tree" (with Ned Green)
5. "Deal Wiv It" (with slowthai)
6. "vicarious living anthem"
7. "In My Mind"
8. "Today" (with Tirzah)
9. "Live Like We're Dancing" (with Georgia)
10."Teenage Headache Dreams" (with Ellie Rowsell)
11. "(nocturne for strings and a conversation)"
・Apple Musicで試聴&ダウンロードする
「10代の頭痛夢」というタイトル、「Seems like the good time's over But nothing's really over anymore」(良い時間は終わったようだ、でも実際は何も終わっていない)という歌詞、男女二人が格闘するようにダンスするミュージックビデオ、終わった青春を懐かしむようでもあり、青春真っ只中を描いたようである、複雑な心情を描写しているように感じます。ムラ・マサは20代前半、エリーは20代後半とまだ若いですが、もう10代ではないし、まだ大人にも完全になりきれない時期ならではの曲のような気もしますね。
“It’s possible to feel happy even if it means relying on something that isn’t necessarily true, or is half-imagined, or might not even have happened at all.
「必ずしも真実とは限らないこと、半分は想像のようなこと、まったく起こってはないかもしれないことに寄りかかっていたとしても幸せを感じることは可能なんだ」
“If we can find a shared remembrance of a good time, we’re more likely to be able to find that again. A little bit of escapism is healthy.”
「素晴らしかった時の記憶を共有できたら、僕らはもう一度それを見出すようなことだってできるわけでね。少しくらいの逃避は健全なものなんだ」
■Mura Masa -『R.Y.C.』収録曲リスト
1. "Raw Youth Collage"
2. "No Hope Generation"
3. "I Don"t Think I Can Do This Again" (with Clairo)
4. "a meeting at an oak tree" (with Ned Green)
5. "Deal Wiv It" (with slowthai)
6. "vicarious living anthem"
7. "In My Mind"
8. "Today" (with Tirzah)
9. "Live Like We're Dancing" (with Georgia)
10."Teenage Headache Dreams" (with Ellie Rowsell)
11. "(nocturne for strings and a conversation)"
・Apple Musicで試聴&ダウンロードする
James Blake(ジェイムス・ブレイク)、2019年1月18日リリースの通算4作目『Assume Form』収録曲"Mile High"。米ラッパー・Travis Scott(トラヴィス・スコット)とプロデューサーのMetro Boomin(メトロ・ブーミン)をフィーチャーした曲。
・James Blake- Mile High (feat. Travis Scott and Metro Boomin)
Migosの大ヒット曲"Bad and Boujee"やPost Maloneの"Congratulations"を手がけたメトロ・ブーミンと組んだことからもわかるように、かなりヒップホップ寄りなトラック(いわゆるトラップってやつ)ですね。トラヴィス・スコットのメロディアスなフロウに、低い声からファルセットまで歌い分けるジェイムス・ブレイクの歌が絡むのがかっこいいです。絡みといえば、2人の小芝居が見れるミュージックビデオも面白い。
■James Blake -『Assume Form』収録曲リスト
1. "Assume Form" James Blake
2. "Mile High" (featuring Metro Boomin and Travis Scott)
3. "Tell Them" (featuring Metro Boomin and Moses Sumney)
4. "Into the Red"
5. "Barefoot in the Park" (featuring Rosalía)
6. "Can't Believe the Way We Flow"
7. "Are You in Love?" Blake Blake 3:17
8. "Where's the Catch?" (featuring André 3000)
9. "I'll Come Too"
10. "Power On" Blake
11. "Don't Miss It" Blake
12. "Lullaby for My Insomniac"
・Apple Musicで試聴&ダウンロードする