1. K's今日の1曲
  2. Dance / Techno / House
  3. Heaven Surrounds Us Like a Hood / Yves Tumor (Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds) 収録)

 Yves Tumorイヴ・トゥモア)、Warpからリリースの通算5作目のアルバム『Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)』(2023年3月17日リリース)からの3rdシングル"Heaven Surrounds Us Like a Hood"。

・Yves Tumor - Heaven Surrounds Us Like a Hood (Official Video)


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2023年12月08日(金)
  1. K's今日の1曲
  2. Dance / Techno / House
  3. Strange Neighbourhoods / Burial (Antidawn 収録)

 サウスロンドンを拠点に活動するエレクトロニックアーティスト、Burialブリアル)の2022年1月6日リリースのEP『Antidawn』収録曲"Strange Neighbourhoods"。

・Burial - ANTIDAWN EP


 咳払いと雨音(雷鳴も聞こえる?)のようなノイズで幕を開ける本作の1曲目。蠢くようなボーカルと、オルガンの音色。1曲の中にストーリーがあるような展開がある不思議な曲。そして、ここにはダンスミュージックなビートがないのが面白い。

 2007年の2ndアルバム『Untrue』以降、いわゆる12インチを中心にリリースしてきたブリアルにとって本EPは久しぶりの長尺(44分)の作品になっていて、2020年代初の長編作品なんて触れ込みで紹介されているけど、個人的にはこれが彼の新機軸だったり、次のアルバムに繋がる作品ではないんじゃないかな、って勝手に思っています。生活音が多く使われていたり、アンビエントとともいえるサウンドになっていて、ロックダウンを経たイギリスでの今だからこそ作ったEPなのかな、と。

 EPのタイトル『ANTIDAWN』というのも、「ANTI」(反対)+「DAWN」(夜明け)の造語で「夜が明けることに抗う」という意味なのかな。ブリアルの主戦といえばレイブ/ガラージなどのクラブミュージック、つまりナイトライフであり、そのカルチャー自体がパンデミックで失われていた時代だからこその思いがあったんじゃないかと想像しています。

 くしくも同じ2022年1月に新作『Dawn FM』をThe Weekndが出したのも興味深い。どメジャーアーティストではあるけど、どこかアンダーグラウンド感のあるウィークエンドと同時期に「Dawn」をテーマにした作品を出した関連性を誰か詳しい人に分析してほしいですねぇ。

 最後にどうでも良い話(本当はどうでも良くない)ですが、「Burial」(埋葬)ってカタカナ表記で「ブリアル」表記されますが、どちらかという「ベリアル」の方が近いかもね。受験英語でよく出題される「bury」(埋葬する)の名詞形だし。いつかBill Brufordのように「ブラッフォード」を「ブルーフォード」に変えてほしいと本人からクレームが来たりして。


Burial -『Antidawn』収録曲リスト
1. "Strange Neighbourhood"
2. "Antidawn"
3. "Shadow Paradise"
4. "New Love"
5. "Upstairs Flat"
・Apple Musicで試聴&ダウンロード


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Rival Dealer / Burial (Rival Dealer 収録)



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2022年02月14日(月)
  1. K's今日の1曲
  2. Dance / Techno / House
  3. From You feat. Joji / Bonobo (Fragments 収録)

 bonoboボノボ)、Ninja Tuneからリリースされた7作目のアルバム『Fragments』(2022年1月14日リリース。全英5位)収録曲"From You"。日本人シンガー、Jojiジョージ)をフィーチャー。

・Bonobo - 'From You (feat. Joji)' (Official)


 初期のボノボぽさもあるダウンテンポかつ柔らかなサウンド。「Falling from you」(あなたから落ちていく)と歌われるJojiのこれまた優しくダウナーな歌が良い。

 ついでにJojiって誰?という人もいると思うので簡単に紹介。Jojiは1992年・日本生まれ(日本とオーストラリアとのハーフ)、本名はジョージ・楠木・ミラー。18歳で渡米し、Youtubeチャンネル『DizastaMusic』でユーチューバーとして活躍。全身ピンクのタイツに身を包んだPink Guyというキャラで、バウアーの"HARLEM SHAKE"の大ヒットの火付け役になった動画をアップロードしたことも有名です。

・DO THE HARLEM SHAKE (ORIGINAL)


 Pink Guy名義でも音楽活動を行った後、アメリカを拠点とするアジアのカルチャーを発信するレーベル・88rising(88↑)でJoji名義の音楽活動へシフト。それまでのコミカルなイメージとは打って変わって、James Blakeとも比較されるような音楽性に変化しています。上の動画と下の動画が同じ人とは思えない(笑)。ちなみに"SLOW DANCING IN THE DARK"は、今これを書いている時点(2022年1月時点)で2.9億回も再生されています。

・Joji - SLOW DANCING IN THE DARK


 と、話はJojiのことばかりになってしまったけど、Bonoboの新作、これまで以上にエモーショナルな印象もあり、家で聴くのも良いけど、ライブでも聴いてみたいと思う曲が多い。早くこのアルバムの曲がダンスフロアを沸かすの見たいです。


Bonobo -『Fragments』収録曲リスト
1. "Polyghost" (featuring Miguel Atwood-Ferguson)
2. "Shadows" (featuring Jordan Rakei)
3. "Rosewood"
4. "Otomo" (featuring O'Flynn)
5. "Tides" (featuring Jamila Woods)
6. "Elysian"
7. "Closer"
8. "Age of Phase"
9. "From You" (featuring Joji)
10. "Counterpart"
11. "Sapien"
12. "Day by Day" (featuring Kadhja Bonet)
・Apple Musicで試聴&ダウンロード


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Shadows feat. Jordan Rakei / Bonobo (Fragments 収録)
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2022年01月28日(金)
  1. K's今日の1曲
  2. Dance / Techno / House
  3. Shadows feat. Jordan Rakei / Bonobo (Fragments 収録)

 bonoboボノボ)、2022年1月14日、Ninja Tuneからリリースの7作目のアルバム『Fragments』(全英5位)収録曲"Shadows"。オーストラリア出身のシンガーソングライター、Jordan Rakeiジョーダン・ラカイ)をフィーチャー。

・Bonobo - 'Shadows (feat. Jordan Rakei)' (Official Video)


 「Save me, save mе from the unknown」(未知から私を救ってくれ」というコーラスがビートと相まってグッときます。未知なるウィルス(=新型コロナ)と考えると今の世界にぴったりのフレーズ。

以下、BEATINK.COMより引用。
「Shadows」は、新譜のために制作した最初の楽曲のひとつで、ジョーダンとの仕事はとても楽しいものだった。僕らは以前から多くの時間を共に過ごしてきた。彼と一緒にツアーをしたこともあるし、僕は彼の大ファンなんだ。
この楽曲はセオ・パリッシュやムーディーマンのようなアーティストのことを考えながら作った。この曲は、アルバムの中で最も気に入っている曲の一つなんだ。 - Bonobo

僕は長い間Bonoboの大ファンで、彼と音楽を共有できることはとても特別な体験なんだ。
サイモンがトラックを送ってくれて、僕は実際に3つのヴァースと3つコーラスを書いた。リモートで制作をしていると、アイデアが相手のビジョンに合っているかどうかを判断するのはとても難しいので、余分なくらいのアイデアを送りたかったんだ。そして、彼がお気に入りのヴァースとコーラスを選んで、僕はそれをロンドンのスタジオで録音した。- Jordan Rakei


 同じNinja Tuneに所属するジョーダン・ラカイの作品もチェックしたい。

・Jordan Rakei: NPR Music Tiny Desk Concert



Bonobo -『Fragments』収録曲リスト
1. "Polyghost" (featuring Miguel Atwood-Ferguson)
2. "From You" (featuring Jordan Rakei)
3. "Rosewood"
4. "Otomo" (featuring O'Flynn)
5. "Tides" (featuring Jamila Woods)
6. "Elysian"
7. "Closer"
8. "Age of Phase"
9. "From You" (featuring Joji)
10. "Counterpart"
11. "Sapien"
12. "Day by Day" (featuring Kadhja Bonet)
・Apple Musicで試聴&ダウンロード


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2022年01月26日(水)
  1. K's今日の1曲
  2. Dance / Techno / House
  3. Saku / Bicep (Isles 収録)

 北アイルランドはベルファスト出身、ロンドンを拠点に活動するマット・マクブライアーとアンディ・ファーガソンによるユニット、Bicepバイセップ)の2021年1月29日リリースの2ndアルバム『Isles』(全英2位)収録曲"Saku"。

・BICEP | SAKU (FEAT. CLARA LA SAN) (Official Video)


 本人たちも90年代のR&Bからの影響を語っていますが、アメリカのR&BよりもUKガラージからの影響がデカイですね。ボーカルでフィーチャーされているClara La Sanの声もその辺りの雰囲気を彷彿させます。ミュージックビデオも面白い。

 ちなみにClara La Sanって誰だ?って調べると、Hyperdub所属のDVAやYves Tumor(イヴ・トゥモア)の作品に参加しているシンガーって書いてあって、これまた誰だ?って感じになって無限ループになってしまって楽しい。こうやってまた違うアーティストに出会えるのも良いもんです。この辺りはまた調べるとして、とりあえず3組の動画を貼っておきます。

・clara la san - dont ask


・DVA: Ganja (Hyperdub 2012)


・Yves Tumor - Gospel For A New Century (Official Video)


 話はそれてしまったけど、オールナイトのイベントとかで聴きたいもんだなぁ、ってこのコロナ自粛期間に家でBicepを聴きながら思うわけです。お酒飲んで、踊って、疲れて、まだ暗い外に出て帰路につく、ってのをまたしたいなぁって思うアルバムです。


Bicep -『Isles』収録曲リスト
1. "Atlas"
2. "Cazenove"
3. "Apricots"
4. "Saku" (featuring Clara La San)
5. "Lido"
6. "X" (featuring Clara La San)
7. "Rever" (featuring Julia Kent)
8. "Sundial"
9. "Fir"
10. "Hawk" (featuring Machina)
・Apple Musicで試聴&ダウンロード


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Apricots / Bicep (Isles 収録)

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2021年03月01日(月)
  1. K's今日の1曲
  2. Dance / Techno / House
  3. Apricots / Bicep (Isles 収録)

 北アイルランドはベルファスト出身の2人組ユニット、Bicepバイセップ)の2021年1月29日リリースの2ndアルバム『Isles』(全英2位)収録曲"Apricots"。

・BICEP | APRICOTS (Official Video)


 元々インストゥルメンタルとして作っていた曲に2つのボーカルサンプリングを混ぜて作られた曲。印象的なボーカルはアフリカのGebede-Gebedeというアーティスト(歌手名なのかどうかも実はよくわかりません。。そもそもアフリカってまとめるのもざっくりしすぎですが…)のもので、この声がポリリズムになってサウンドの方向を決定づけているのが面白い。そこにベルギーのコーラス隊のサンプルを混ぜるっていうアイディアがいいね。

 下に載せているのがサンプルネタです。彼らのウェブサイトでこのアルバムに収録されている各曲のサンプルネタが紹介されていてます。

・Gebede-Gebede Ulendo Wasabwera


・The Bulgarian State Radio & Television Femal Choir - Svatba


 ここで簡単にBicepの経歴を紹介。先述の通り、北アイルランドはベルファスト出身のAndrew FergusonとMatthew McBriarからなる2人組。2人は地元の幼馴染で、2009年頃からロンドンでDJユニットとして活動を開始。マニアックなハウスやテクノなどを紹介する音楽ブログ「Feel My Bicep」を運営(このブログは今も続いています。このオタク感がすごく良い!)。2017年にはNinja Tuneと契約してデビューアルバム『Bicep』(全英20位)をリリース。そしてこのアルバムに至る、という感じ。ちなみにBicepとは「上腕二頭筋」という意味で、彼らのロゴにも3本の上腕二頭筋があしらわれています。

 私は全然このユニットのこと知らなかったんだけど、2021年になってやたらとApple Musicのラジオとかでこの"Apricots"が流れまくってて耳から離れなくなり、誰だろうって感じでアルバムを聴きはじめたら他の曲も良かった。なので次もこのアルバムから何か紹介します。
(追記)Saku / Bicep (Isles 収録)


Bicep -『Isles』収録曲リスト
1. "Atlas"
2. "Cazenove"
3. "Apricots"
4. "Saku" (featuring Clara La San)
5. "Lido"
6. "X" (featuring Clara La San)
7. "Rever" (featuring Julia Kent)
8. "Sundial"
9. "Fir"
10. "Hawk" (featuring Machina)
・Apple Musicで試聴&ダウンロード


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2021年02月27日(土)
  1. K's今日の1曲
  2. Dance / Techno / House
  3. Views / Noga Erez (Views 収録)

 イスラエル出身のエレクトロニック・シンガー/プロデューサーのNoga Erezノガ・エレズ)の2020年2月リリースのシングル"Views"。彼女の長年のコラボレーターであるOri Roussoとアメリカのラッパー、Reo Cragunをフィーチャーしています。

・Noga Erez - VIEWS ft. ROUSSO, Reo Cragun


 ROUSSOによるコーラスがクセになる曲ですね。2017年のデビューアルバム『Off The Radar』の時はもっと鋭利で無機質な感じのサウンドのイメージが強かったですが、この曲はなんかオーガニックなイメージ。ヒップホップ色も強いですね。そろそろ次のアルバムが気になるころですが、こういう曲が増えてると面白いな。無限に階段を登るミュージックビデオも面白いのでぜひ。

・Noga Erez - "VIEWS (feat. ROUSSO)" [Live] - Kids Against The Machine Vol. 1



Noga Erez -『Views』収録曲リスト
1. VIEWS ft. ROUSSO, Reo Cragun
・Apple Musicで試聴&ダウンロード


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2020年06月06日(土)
  1. K's今日の1曲
  2. Dance / Techno / House
  3. Deal Wiv It with slowthai / Mura Masa (R.Y.C. 収録)

 Mura Masaムラ・マサ)の2ndアルバム『R.Y.C.』(2020年1月17日リリース)からのシングル"Deal Wiv It"。UKのラッパー、slowthaiスロータイ)をフィーチャー。

・Mura Masa - Deal Wiv It with slowthai (Official Video)


 Joy Division/New Order、Talking Headsなどポストパンク/ニューウェーブを彷彿させるベースとドラムに、slowthaiのいかにも英国ラッパーなイントネーションがたまらない。the streetsのマイク・スキナーを思い浮かべる人も多いかも。歌詞の内容としては成功をおさめ貧しい生活から脱出した後、地元に戻ったら妬まれるというもので、スロータイ自身の体験が元になったであろうものになっています。

 「Deal Wiv It」(=「Deal with it」)は直訳すると「それに対処しろ」って意味だけど、「不愉快で残念なことだけど、それに向き合っていくしかない」というようなニュアンスがあるそうで、まさにこの曲のテーマですね。これをふまえてミュージックビデオを見ると、家を飛び出し傍若無人に走るスロータイが、最後にMura Masaの乗るオープンカーに飛び乗るシーンが痛快ですね。

 ちなみにこの2人はslowthaiの2019のデビュー作『Nothing Great About Britain』(全英9位)でもコラボしているのでこちらもチェック。

・slowthai, Mura Masa - Doorman


 Mura Masaについては一つ前の記事に書いたので、ここではスロータイについて簡単に。

・slowthaiとは
 1994年12月18日、UKはノーサンプトン生まれの25歳。本名:Tyron Kaymone Frampton。英リングスの公営住宅の母子家庭で育つ。バルバドスとアイルランドの血を引く。2017年にインディーレーベルと契約を結びキャリアをスタート。BBCの期待の新人リスト「BBC Sound of 2019」の4位に選ばれる(Mura Masaは2016の5位)。2019年のデビューアルバム『Nothing Great About Britain』が全英チャート9位になり、英マーキュリープライズにもノミネート。slowthaiという名前は彼独特のスローな喋り(SlowなTyron)に由来する幼少期のニックネームから。

 Mura Masaとslowthai、どちも今後の活動が楽しみですね。


Mura Masa -『R.Y.C.』収録曲リスト
1. "Raw Youth Collage"
2. "No Hope Generation"
3. "I Don"t Think I Can Do This Again" (with Clairo)
4. "a meeting at an oak tree" (with Ned Green)
5. "Deal Wiv It" (with slowthai)
6. "vicarious living anthem"
7. "In My Mind"
8. "Today" (with Tirzah)
9. "Live Like We're Dancing" (with Georgia)
10."Teenage Headache Dreams" (with Ellie Rowsell)
11. "(nocturne for strings and a conversation)"
・Apple Musicで試聴&ダウンロードする


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2020年01月21日(火)
  1. K's今日の1曲
  2. Dance / Techno / House
  3. Teenage Headache Dreams / Mura Masa (R.Y.C. 収録)

 エレクトロニックミュージック・プロデューサー/マルチインストゥルメンタリストのMura Masaムラ・マサ)の2ndアルバム『R.Y.C.』(2020年1月17日リリース)からのシングル"Teenage Headache Dreams"。

・Mura Masa, Ellie Rowsell, Wolf Alice - Teenage Headache Dreams


 ロンドンのオルタナロックバンド、Wolf Aliceエリー・ロウゼルをボーカルにフィーチャー。リピートされるリフとベースラインに導かれ始まる序盤、ムラ・マサ本人のボーカルとエリーの声が重なっていく。後半にかけて歌も熱を帯びロックに爆発するのがかっこよい。

「10代の頭痛夢」というタイトル、「Seems like the good time's over But nothing's really over anymore」(良い時間は終わったようだ、でも実際は何も終わっていない)という歌詞、男女二人が格闘するようにダンスするミュージックビデオ、終わった青春を懐かしむようでもあり、青春真っ只中を描いたようである、複雑な心情を描写しているように感じます。ムラ・マサは20代前半、エリーは20代後半とまだ若いですが、もう10代ではないし、まだ大人にも完全になりきれない時期ならではの曲のような気もしますね。

 NMEによると“Teenage Headache Dreams”についてムラ・マサは次のように語っています。
“It’s possible to feel happy even if it means relying on something that isn’t necessarily true, or is half-imagined, or might not even have happened at all.
「必ずしも真実とは限らないこと、半分は想像のようなこと、まったく起こってはないかもしれないことに寄りかかっていたとしても幸せを感じることは可能なんだ」

“If we can find a shared remembrance of a good time, we’re more likely to be able to find that again. A little bit of escapism is healthy.”
「素晴らしかった時の記憶を共有できたら、僕らはもう一度それを見出すようなことだってできるわけでね。少しくらいの逃避は健全なものなんだ」


 アルバムタイトルは1曲目の"Raw Youth Collage"の略でしょうか。直訳すると「生の若者のコラージュ」ってことだけど、つまり様々な若者の姿を描写した曲が詰まってるということなのかな。ちなみに全体を通してロック色が強く、「パンクロックにインスパイアされた」なんて紹介のされかたをしています。パンクかどうかは意見の別れるとこだけど、こう言ったダンス系のアーティストが「青春」を表すのにロック的サウンドに向かうのは面白いですね。

 ここまで紹介しておいてなんですが、本サイト初登場なのでMura Masaの簡単なバイオグラフィー。

・Mura Masaとは
 1996年4月5日、イギリス海峡のチャンネル諸島に位置する王室属領・ガーンジー生まれの23歳。本名はAlex Crossan。Mura Masaの由来は日本の名刀「村正」から。地元でパンクやハードコアなどのバンドをやっていたが、徐々にハドソン・モホークなどのダンスミュージックに傾倒していき16歳ころからSoundCloudなどに自身の曲をアップし始める。発表した曲がBBCラジオなどで取り上げられ始め、大学進学とともにイギリス本土へ移住し、ライブ活動も開始。Mixtapes『Soundtrack to a Death』(2014年)、EP『Someday Somewhere』(2015年)を経てBBCの期待の新人リスト「BBC Sound of... 2016」で5位に選ばれる(その時の1位はJack Garratt)。そして、2016年の1stアルバム『Mura Masa』とA$AP Rockをフィーチャーした"Love$ick"で一躍トップアーティストに。

 2019年11月には単独での来日ライブもありましたね。私は2016年のフジロックの深夜でちょこっと見ることができたけど、また今作をひっさげたライブも見たい。ライブ映えしそうな曲揃っているしね。

 というわけで、この曲がこのサイトでの2020年最初に紹介するおすすめ曲になりました。今年もどうぞよろしくお願いします!


Mura Masa -『R.Y.C.』収録曲リスト
1. "Raw Youth Collage"
2. "No Hope Generation"
3. "I Don"t Think I Can Do This Again" (with Clairo)
4. "a meeting at an oak tree" (with Ned Green)
5. "Deal Wiv It" (with slowthai)
6. "vicarious living anthem"
7. "In My Mind"
8. "Today" (with Tirzah)
9. "Live Like We're Dancing" (with Georgia)
10."Teenage Headache Dreams" (with Ellie Rowsell)
11. "(nocturne for strings and a conversation)"
・Apple Musicで試聴&ダウンロードする


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2020年01月20日(月)
  1. K's今日の1曲
  2. Dance / Techno / House
  3. Mile High / James Blake (Assume Form 収録)

 James Blakeジェイムス・ブレイク)、2019年1月18日リリースの通算4作目『Assume Form』収録曲"Mile High"。米ラッパー・Travis Scottトラヴィス・スコット)とプロデューサーのMetro Boominメトロ・ブーミン)をフィーチャーした曲。

・James Blake- Mile High (feat. Travis Scott and Metro Boomin)


 Migosの大ヒット曲"Bad and Boujee"やPost Maloneの"Congratulations"を手がけたメトロ・ブーミンと組んだことからもわかるように、かなりヒップホップ寄りなトラック(いわゆるトラップってやつ)ですね。トラヴィス・スコットのメロディアスなフロウに、低い声からファルセットまで歌い分けるジェイムス・ブレイクの歌が絡むのがかっこいいです。絡みといえば、2人の小芝居が見れるミュージックビデオも面白い。

 ここ数年のジェイムス・ブレイクと言えば、ビヨンセやJay-Z、ケンドリック・ラマー、もちろんトラヴィス・スコットなどHIP HOP/R&B系の大物とのコラボが注目されていて、今作でもOutKastのアンドレ3000の参加も話題になっています。今作全体の雰囲気もこれまでよりもずっとアップビートな感じで、そこがウケたのか全英6位・全米21位と過去最高のチャートアクションを記録。まぁより内向的なサウンドが恋しくもあるけど、これはこれで面白いと思います。

 フジロック2019に出演決定。3度目となるフジロック出演だけど、今回はどんなステージなるのでしょうか。ゲストとか出てきたりするのかな?


James Blake -『Assume Form』収録曲リスト
1. "Assume Form" James Blake
2. "Mile High" (featuring Metro Boomin and Travis Scott)
3. "Tell Them" (featuring Metro Boomin and Moses Sumney)
4. "Into the Red"
5. "Barefoot in the Park" (featuring Rosalía)
6. "Can't Believe the Way We Flow"
7. "Are You in Love?" Blake Blake 3:17
8. "Where's the Catch?" (featuring André 3000)
9. "I'll Come Too"
10. "Power On" Blake
11. "Don't Miss It" Blake
12. "Lullaby for My Insomniac"
・Apple Musicで試聴&ダウンロードする


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I Need a Forest Fire (featuring Bon Iver) / James Blake (The Colour in Anything 収録)

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2019年02月10日(日)