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  3. Teenage Headache Dreams / Mura Masa (R.Y.C. 収録)

 エレクトロニックミュージック・プロデューサー/マルチインストゥルメンタリストのMura Masaムラ・マサ)の2ndアルバム『R.Y.C.』(2020年1月17日リリース)からのシングル"Teenage Headache Dreams"。

・Mura Masa, Ellie Rowsell, Wolf Alice - Teenage Headache Dreams


 ロンドンのオルタナロックバンド、Wolf Aliceエリー・ロウゼルをボーカルにフィーチャー。リピートされるリフとベースラインに導かれ始まる序盤、ムラ・マサ本人のボーカルとエリーの声が重なっていく。後半にかけて歌も熱を帯びロックに爆発するのがかっこよい。

「10代の頭痛夢」というタイトル、「Seems like the good time's over But nothing's really over anymore」(良い時間は終わったようだ、でも実際は何も終わっていない)という歌詞、男女二人が格闘するようにダンスするミュージックビデオ、終わった青春を懐かしむようでもあり、青春真っ只中を描いたようである、複雑な心情を描写しているように感じます。ムラ・マサは20代前半、エリーは20代後半とまだ若いですが、もう10代ではないし、まだ大人にも完全になりきれない時期ならではの曲のような気もしますね。

 NMEによると“Teenage Headache Dreams”についてムラ・マサは次のように語っています。
“It’s possible to feel happy even if it means relying on something that isn’t necessarily true, or is half-imagined, or might not even have happened at all.
「必ずしも真実とは限らないこと、半分は想像のようなこと、まったく起こってはないかもしれないことに寄りかかっていたとしても幸せを感じることは可能なんだ」

“If we can find a shared remembrance of a good time, we’re more likely to be able to find that again. A little bit of escapism is healthy.”
「素晴らしかった時の記憶を共有できたら、僕らはもう一度それを見出すようなことだってできるわけでね。少しくらいの逃避は健全なものなんだ」


 アルバムタイトルは1曲目の"Raw Youth Collage"の略でしょうか。直訳すると「生の若者のコラージュ」ってことだけど、つまり様々な若者の姿を描写した曲が詰まってるということなのかな。ちなみに全体を通してロック色が強く、「パンクロックにインスパイアされた」なんて紹介のされかたをしています。パンクかどうかは意見の別れるとこだけど、こう言ったダンス系のアーティストが「青春」を表すのにロック的サウンドに向かうのは面白いですね。

 ここまで紹介しておいてなんですが、本サイト初登場なのでMura Masaの簡単なバイオグラフィー。

・Mura Masaとは
 1996年4月5日、イギリス海峡のチャンネル諸島に位置する王室属領・ガーンジー生まれの23歳。本名はAlex Crossan。Mura Masaの由来は日本の名刀「村正」から。地元でパンクやハードコアなどのバンドをやっていたが、徐々にハドソン・モホークなどのダンスミュージックに傾倒していき16歳ころからSoundCloudなどに自身の曲をアップし始める。発表した曲がBBCラジオなどで取り上げられ始め、大学進学とともにイギリス本土へ移住し、ライブ活動も開始。Mixtapes『Soundtrack to a Death』(2014年)、EP『Someday Somewhere』(2015年)を経てBBCの期待の新人リスト「BBC Sound of... 2016」で5位に選ばれる(その時の1位はJack Garratt)。そして、2016年の1stアルバム『Mura Masa』とA$AP Rockをフィーチャーした"Love$ick"で一躍トップアーティストに。

 2019年11月には単独での来日ライブもありましたね。私は2016年のフジロックの深夜でちょこっと見ることができたけど、また今作をひっさげたライブも見たい。ライブ映えしそうな曲揃っているしね。

 というわけで、この曲がこのサイトでの2020年最初に紹介するおすすめ曲になりました。今年もどうぞよろしくお願いします!


Mura Masa -『R.Y.C.』収録曲リスト
1. "Raw Youth Collage"
2. "No Hope Generation"
3. "I Don"t Think I Can Do This Again" (with Clairo)
4. "a meeting at an oak tree" (with Ned Green)
5. "Deal Wiv It" (with slowthai)
6. "vicarious living anthem"
7. "In My Mind"
8. "Today" (with Tirzah)
9. "Live Like We're Dancing" (with Georgia)
10."Teenage Headache Dreams" (with Ellie Rowsell)
11. "(nocturne for strings and a conversation)"
・Apple Musicで試聴&ダウンロードする


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2020年01月20日(月)

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