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  3. God only knows / The Beach Boys (Pet Sounds 収録)

 THE BEACH BOYSザ・ビーチ・ボーイズ)によって1966年に発表されたロック史上に残る傑作『PET SOUNDS』(米10位・英2位)。その歴史的作品の中でもとりわけ燦然と輝く曲がこの"GOD ONLY KNOWS"(神のみぞ知る)です。"Wouldn't It Be Nice"のB面ながらシングルチャートで米32位・英2位を記録。ポップソング史上初めて"GOD"という言葉がタイトルに使われた曲とも言われています。

・The Beach Boys - God only knows


 シャンシャンシャンと優しく鳴るリズムの上を柔らかに流れるフレンチホルンの音色に導かれ始まるイントロからCarl Wilsonカール・ウィルソン)の"I may not always love you"(いかなるときにも君を愛するとは、言い切れないかもね)というラブソングとしてはいささか衝撃的なフレーズから歌が始まる曲。

 しかし、続く歌詞によって、「空に星がある限り、僕の君への思いは疑いようもないんだよ」、そして「君のいない僕の人生は、神様しか知らない(God Only Knows)」と、つまり「僕は常に君を必要としていて、君がいないことなんて想像もできないほど君が好き」つまり「君がいなければ僕は生きて行く意味すらない」歌われる歌。歌詞は、作詞家のTony Asherトニー・アッシャー)によるものですが、トニーとブライアンは話し合いを重ねており、ブライアンの心情が大きく反映された歌詞だといわれています。

 曲は弦楽四重奏が現れては消え、様々な音が加わっては消えながら進み、Brian Wilsonブライアン・ウィルソン)とBruce Johnstonブルース・ジョンストン)の輪唱のようなコーラスが加わって行きクライマックスを迎え、終わる。3分にも満たない短い曲ながら、多くの表情を見せ、聞く者に様々な感情をもたらす曲だと思います。

 当時、英米でお互いしのぎを削っていたThe Beatlesのポール・マッカートニーをして、「これは実に偉大な曲だ。僕はこの曲がたまらなく好きだ」と言わしめた曲でもあります。

 ちなみにこの曲を含め、『ペット・サウンズ』は楽器の演奏は全てビーチ・ボーイズ自身ではなく、腕利きのミュージシャンを集めてレコーディングされた、いわゆる「ブライアンのソロアルバム」という見方もあります。この曲でも当初はブライアン自らリードボーカルをとるつもりだったようですが、カールの声のほうがより曲にマッチすると判断してカールがリードをとることになったそうです。

・"God Only Knows"の参加ミュージシャン一覧
Hal Blaine - drums
Jesse Erlich - cello
Carl Fortina - accordion
Jim Gordon - percussion
Bill Green - flute
Leonard Hartman - clarinet, bass clarinet
Jim Horn - flute
Bruce Johnston - backing vocals
Carol Kaye - electric bass
Larry Knechtel - organ
Leonard Malarsky - violin
Jay Migliori - baritone saxophone
Frank Morocco - accordion
Ray Pohlman - electric bass
Don Randi - piano
Lyle Ritz - upright bass
Alan Robinson - French horn
Sid Sharp - violin
Darrel Terwilliger - viola
Brian Wilson - backing vocals
Carl Wilson - lead vocal, backing vocals

 ビートルズの『rubber soul』に影響を受けブライアンが作り上げた『PET SOUNDS』、さらにその影響からビートルズは『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を作り上げたという話や、現在でこそ歴史的名盤という扱いを受けてはいるけど、発表当時は評価や売り上げにつながらなかったという話や、そこからその後の『SMILE』の挫折とブライアンの精神崩壊etc.・・・とこの時期のビーチ・ボーイズには語るべきところは多いのですが、その辺はもっと詳しい解説がこれまでもこれからもいっぱい出てくると思うのでそちらをご参照ください。

 最後に、最近読んだアルバム『PET SOUNDS』について書かれたジム・フジーリ著のノンフィクション作品『ペット・サウンズ』の翻訳を担当した作家の村上春樹の言葉を引用しておきます。
「世の中には二種類の人間がいる。『ペット・サウンズ』を好きな人と、好きじゃない人だ」と。それくらい『ペット・サウンズ』というのは、僕にとっても大事な意味を持つ音楽なのだ。
聴いてみてください。聴く価値のあるアルバムです。そして何度も聴き返す価値のあるアルバムです。



The Beach Boys -『Pet Sounds』収録曲リスト
1. "Wouldn't It Be Nice"
2. "You Still Believe in Me"
3. "That's Not Me"
4. "Don't Talk (Put Your Head on My Shoulder)"
5. "I'm Waiting for the Day"
6. "Let's Go Away for Awhile"
7. "Sloop John B"
8. "God Only Knows"
9. "I Know There's an Answer"
10. "Here Today"
11. "I Just Wasn't Made for These Times"
12. "Pet Sounds"
13. "Caroline, No"
・Apple Musicで試聴&ダウンロード
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2010年11月16日(火)

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