1. K's今日の1曲
  2. US Indie
  3. King Rat / Modest Mouse (No One's First and You're Next 収録)

 全米初登場1位を獲得した『We Were Dead Before the Ship Even Sank生命の大航海)』に続くModest Mouseモデスト・マウス)の待望の新作は、この前作と前々作『Good News for People Who Love Bad Newsバッド・ニュースを好む人へのグッド・ニュース)』の2作からのシングルのB面やそのセッション中にレコーディングされた曲を集めた8曲入りのEP『No One's First and You're Next』。全米チャート初登場15位。

・Modest Mouse - King Rat (Video Version)


 この"King Rat"という曲は、『生命の大航海』からの1stシングルとなった"Dashboard"のB面で、アルバムの日本盤にはボーナストラックとして収録されていた曲。バンジョーの牧歌的でありながら切ないメロディから始まり、徐々にホーンが前面に出てきて爆発していく後半が圧巻。アイザックのヴォーカルもどんどんキレキレになっていきます。

 この曲で話題になってるのは、そのミュージックビデオ。監督したのは2008年1月22日、ニューヨークの自宅にて28歳という若さで亡くなった俳優の故Heath Ledgerヒース・レジャー)。PVの完成を待たずして彼は亡くなってしまいましたが、共同ディレクターだったDaniel Auberを含むThe Massesというプロダクションによってビデオは完成されたようです。

 オーストラリアの商業捕鯨に反対するヒースのメッセージがこめられており、内容はかなりショッキングなものになっています。このEPの売り上げは発売から1ヶ月、商業捕鯨に反対する団体、Sea Shepherd Conservationシーシェパード)に寄付されるとのこと。曲のテーマとは直接関係ないですが、Deep Water, Deep Water Senseless Denial.I went down like a rag doll rat of a child.ってところとかなんか世界観があってる気がします。

 EP全体を通してもアルバムからもれた曲を集めたとは思えないクオリティがあり、むしろ1枚にまとめられたことによって1つの作品としての統一感も感じられるものになってます。"The Whale Song"とかかっこよすぎです。

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2009年09月28日(月)
  1. K's今日の1曲
  2. LIVE (2009)
  3. VINTAGE LEAGUE 023@川崎CLUB CITTA' (GO!GO!7188、THE BAWDIES、Scars Borough、Base Ball Bear) 感想&セットリスト

川崎のCLUB CITTA'にてVINTAGE ROCK主催のイベントVINTAGE LEAGUEの第23回に参戦してきました。

出演は以下。
GO!GO!7188THE BAWDIESScars BoroughBase Ball Bearの4組。

感想を簡単に。

トップバッターは、THE BAWDIES
最近ますます人気出てきましたね。
2年ほど前に初めて観たときは「誰?」って感じでしたが、最近回りで好きって人が増えてます。
ライブのほうは相変わらずヴォーカルさんのロックンロールな声のかっこよさがいいね。
CDのほうは一切聞いた事ないんですが(すみません・・・)ライブでは何度か観たので知ってる曲も増えてきてたんですが、今回は久しぶりだったので初めて聞くであろう曲も多かった。
で、過去に見た感じだと途中でどうしても曲調が単調で飽きてしまったんだけど、そのはじめて聞く曲がなかなかアクセントになってて、これまで観た彼らのライブので一番楽しかったです。


お次はScars Borough
スカーズ・ボロと読むようです。
あんまり良く知らなかったので、まずはプロフィールを調べた。
活動休止中のELLEGARDENのドラムの高橋宏貴が結成したバンド。
・メンバーは
KYOKO - ボーカル
本郷信 - ギター
MARCH - ベース
高橋宏貴 - ドラムス

と、プロフィール紹介でお茶を濁してみましたが、音はあんまり私の趣味じゃないです、すみません。
ヴォーカルの女性は無理してる気がするし(顔がTM Revolutionの西川に見えて仕方なかった・・・)、ベースの人も同様、てか何よりもドラムが趣味じゃないかも・・・
途中、「おっ!」って思わされた曲があったと思ったら、よく聴くとDAVID BOWIEの"Suffragette city"のカヴァーでした。


3番手はBase Ball Bear
ベボベ観るのは久しぶり。
最近新作『WHAT IS THE LOVE & POP』を出したばかりってことで、そのアルバムの流れどおり"Stairway Generation"〜"SOSOS"。
1曲目では関根史織のベースがかっこよかったな。
MCでは「僕ら中学生時代からバンドやってますけども、関根さんが一番最初に「このバンドかっこいいね!」って言ったのがGO!GO!7188さんだった」なんてエピソードが。
そんなGO!GO!とは今日の楽屋でずっとUNOをやってたそうです。
でもそれにギターの湯浅将平が参加してなかったってしゃべったと、客席から
「将平何やってんの!」
って言う声が飛んでた(笑)
その後も新作アルバムの曲やシングル等をやって最後は"夕方ジェネレーション"で終了。
(セットリストは下のほうに)


トリはGO!GO!7188
まぁキャリア的に当然か。
セットチェンジ中に『GO!GO!7188』とかかれた幕が掛かりちょっと特別感が。
で、始まったライブ。
なんと1曲目から"浮舟"。
この展開新しい!
このアグレッシブな始まりに象徴されるように今日のライブはかなり激しい感じが前面に出てた気がする。
8月末にワンマンを観たばかりだけど、単独に比べコンパクトでMCも少なめなのでそこが勢いに変わった気がする。
また単独よりも客数が少なくスペースが広かった分、モッシュの輪もでかくて激しかった。

3曲目では"大人のくすり"を。
これはBBBの関根嬢のリクエストだそうです。
先ほどのMCでも「GO!GO!にいそう」って言ってたけど、確かに彼女が入ってもパッと見違和感ないですね。
ま、プレースタイルが違うので一概には言えないけど、アッコ並みにもっとグイグイ来るようになってもいいと思うけど。

で、短いセットながらも新旧おりまぜ(新曲も飛び出し)、本編終了。
もちろん、イベントでも巻き起こる「ブサイクコール」。

再び出てきたメンバーがMCで、
アッコ:「イケメンとイケギャルとブサイクが全部そろいましたね」
ユウ:「そうですねー。…ブサイクって、私達ですか?」
って(笑)
大丈夫、ライブ中後ろからライト浴びてる状態だったら、ユウとベボベの関根の区別あんまり付かないから・・・

そして始まったアンコールは"C7"と"文具"っつうなんとも最高な2曲でシメ。
特に"C7"は単独でやらなかったので聞けて凄く嬉しかったです。


そんなイベント。
以下、セットリスト。

2009.09.26 VINTAGE LEAGUE 023@川崎CLUB CITTA' Setlist

・Base Ball Bear Setlist
01. Stairway Generation
02. SOSOS
03. スイミングガール
04. ホワイトワイライト
05. BREEEEZE GIRL
06. LOVE MATHEMATICS
07. 夕方ジェネレーション

・GO!GO!7188 Setlist
01. 浮舟
02. ちんとんしゃん
03. 大人のくすり
04. コミュニケーションギャップ
05. 恋の毒薬
06. すきま(新曲)
07. 脳内トラベラー
08. あしのけ
09. アンテナ
---encore---
10. C7
11. 文具

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青い亀裂 / GO!GO!7188 (竜舌蘭 収録)

LOVE MATHEMATICS / Base Ball Bear (LOVE MATHEMATICS 収録)

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2009年09月26日(土)
  1. K's今日の1曲
  2. LIVE (2009)
  3. THE BLACK EYED PEAS@さいたまスーパーアリーナ 「The E.N.D. World Tour」 感想&セットリスト

さいたまスーパーアリーナにTHE BLACK EYED PEASザ・ブラック・アイド・ピーズ)のライブを見に行ってきました。

さいたまスーパーアリーナイメージ画像

BEPを観るのは横浜競技場で行われたROCK ODYSSEY 2004以来なので5年ぶり。
あの頃は3rdの『Elephunk』は全米で大ヒット中でしたが、日本ではまだそれほど知名度はなかったですが、もはや音楽好きじゃなくても知ってるくらいのレベルになりましたね。

しかも、新作『THE E.N.D.』からは1stシングルの"boom boom pow"と2ndシングルの"I Gotta Feeling"が2つ合わせて連続22週No1(9月12日付けビルボード)で同一アーティストによるNo.1記録を塗り替えたというまさに乗りに乗ってる状態での来日です。

一応わかってると思いますが、メンバーは以下。
will.i.amウィル・アイ・アム
apl.de.apアップル・デ・アップ
Tabooタブー
Fergieファーギー

開演時間の18時から遅れること20分ほどで会場が暗転。
アルバム『The E.N.D.』の1曲目"Boom Boom Pow"の時に流れる冒頭のナレーションみたいなのが流れてメンバー登場。
一気に沸く会場。

1曲目は"Let's Get It Started"。
個人的に1番好きな3rd『Elephunk』でもかなり好きな曲からのスタートでテンション上がる。
でもせっかくならファーギーのあの高らかなアカペラから入って欲しかったけど・・・

いやぁそれにしても曲がどうのっていうよりもまず、「金掛かってるなぁ!」っていうのが第一印象。
スクリーンとか舞台装置とか。

ちなみに舞台は後ろのほうが櫓みたいになってて、階段でそこに上がれるんだけど、基本的に演奏するバンドメンバーはその2階で演奏するという形でした。

まずは挨拶代わりの1曲が終わり、ここから新作から3連発。
デジタルビートに乗ったファーギーのコーラスがかっこよい"Rock That Body"ではロボットのような格好のダンサーが出てきたり、
「次のシングル」といって始まった"Meet Me Halfway"はバックの映像(太陽?)がすさまじく、
ウィルが赤いピアノを弾く"Alive"はしっとりと。

そんな感じで新作の曲が続くと、"Don't Phunk With My Heart"〜"Shut Up"という風に過去の特大ヒット曲を織り交ぜるというなかなか飽きさせないセットリスト。

さらに、メンバーそれぞれの見せ場を織り込む。
まずはウィルのソロでラップのフリースタイル?
後半にかけての盛り上がりがかっこよい。

アップルの"Bebot"もバッチリ決まり、次のタブー。
なぜかタブーの時は趣向を変えて、タブーの写真が何枚かスクリーンに映し出され、女性客が沸く。
確かに、一番女性受けしそうですね。
(個人的には"Where is the Love?"のPVでの格好が好きです)
まぁ本人の出番的には短かったような・・・

と、男性人3人のソロが終わったら、残るはファーギーですね。
ソロとしても大ヒットを飛ばしただけあって歓声もひときわ大きかった。
合唱になる場面もありましたね。

まぁ個人的にはファーギーのソロには思い入れがないため、若干どうでもよかったですが・・・

そして、ファーギーが終わると、とりあえず一区切り的にウィルのDJタイム。
予想通りのマイケル・ジャクソンとか絶対やるだろうなと思ったら案の定。
他には、House Of Painの"Jump Around"やらレッチリの"Otherside"やらNirvanaの"Smells Like Teen Sprit"やらかけてて、会場は大盛り上がり
・・・でしたが、あのパート必要かな?

個人的意見としては、他人の曲をかけるくらいだったら自分達の昔の曲を演奏してくれよ!って思いましたが・・・
最後の「ウィルちゃん、ペッ」は面白かったけど。

まぁそんなこともありつつライブは進み、"Now Generation"の時にはオバマ大統領の映像が流れた後に、メンバーが演説台のようなもので歌うという演出があり、その曲中にはファーギーの片手で前転(これ言葉で説明し辛い・・・)もバッチリ決まってた。
あれは前回初めて観たときは衝撃でした。

そして、会場を熱狂の渦に巻き込んだ"Pump It"。
最初ギタリストを残してウィルが去ってってしまうのですが、再びギタリストがあのイントロのフレーズを弾いて、そこにトランペットが加わり、メンバーが登場し大爆発!!
これはライブで体感してこその楽曲ですね!

盛り上げまくった後は、BEPが大ブレイクを果たすきっかけになったあの超名曲"Where Is Love?"。
メンバーがMCをしてる間にもそのイントロのメロが流れててすぐにこの曲だとわかりました。
この曲は当時はマジよく聴いたな。
この曲ならたぶん、カラオケでラップできる自信あります。
ま、試したことないですけど・・・

最後は会場全体でコーラス。
ちょっとウィルがコーラス入るとこ間違ったのはご愛嬌ですね。

圧倒的なスケールで進んだライブも本編最後の曲。
12週にわたって全米チャートを制した"Boom Boom Pow"。
なんかスクリーンに映る映像を観てたら、Kraftwerkを思い出しちゃいましたが・・・
よく考えたら「ブン・ブン・パウ」とあのクラフトワークの「ブン・チャ」って言う曲(曲名忘れた・・・)って絶対どっかでリンクしてそうな気がしてきた。

ってどうでもいいこと考えてたらあっという間に終了。
ちょっとMCがあって、メンバーが去ってきました。


もちろんこれで終わるはずなく、アンコール。
10分弱経ってから再びメンバー登場。
バンドが1階に下りてきてる、って思ったら、ドラムを叩いてるのがウィルでした。
ここで新作から3曲ほどメドレーっぽく。

そしてそして、オーラス。
現在No.1独走中の"I Gotta Feeling"。

この曲、新作の中で個人的には飛びぬけて好きな曲。
ライブの狂騒と、その後の切なさを併せ持ったマジ名曲だと思うんだけど、今日は最後の最後でちょっと微妙な展開に。

なんといきなりSMAP香取慎吾草なぎ剛登場。
(後から聞いた話だと倖田來未も会場に居たそうです)
スマスマつながりでしょうか?

会場は当然のように大盛り上がり。
・・・が、スマップにこれっぽっちも興味のない私にとってはタダ単に邪魔なだけ(ファンの人にはもうしわけないが)。
どうせ出てくるなら全員、というかキムタクとか出て来いってんだ。
ま、キムタクが来ようが中居が来ようが、やっぱり邪魔なだけだけど・・・

サマソニの時のColdplayの"世界にひとつだけの花"もそうだったけど、こういうのマジで止めて欲しいんだけど・・・
はっきり言って萎える・・・


って、何の話か分からなくなってきたので、この話題はこの辺で。
(スマップ関係の苦情コメントは一切受け付けないので悪しからず・・・)

そんな感じで最後は良く分からない終わり方だったけど、まぁ楽しかったです。

「まぁ」って付いてるのは、前回見たときがかなり良すぎたので期待が膨らみすぎてたってたのが大きいです。

後、メンバー4人を通算すると100回くらい「トーキョー」って叫んでたけど、そこ東京じゃなくて埼玉ですよ・・・


以下、セットリスト(たぶんあってると思います。間違ってたら指摘ヨロ。随時訂正中です。)

2009.09.23 THE BLACK EYED PEAS@さいたまスーパーアリーナ Setlist

01. Let's Get It Started
02. Rock That Body
03. Meet Me Halfway
04. ALIVE
05. Don't Phunk With My Heart
06. Shut Up
07. Rap (Will I am solo)
08. Imma Be
09. My Humps
10. Missing You
11. Bebot (Alp.De.Ap solo)
12. Mare (Alp.De.Ap solo)
13. Rockin To The Beat (Taboo solo)
14. Fergalicious (Fergie solo)
15. Glamorous (Fergie solo)
16. Big Girls Don't Cry (Fergie solo)
17. DJ (Will I am)
18. Now Generation
19. Pump It
20. Where Is Love?
21. Boom Boom Pow
---encore---
22. Showdown
23. Party All The Time
24. Outta My Head
25. I Gotta Feeling

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DON'T PHUNK WITH MY HEART / THE BLACK EYED PEAS (MONKEY BUSINESS 収録)
MAS QUE NADA / SERGIO MENDES featuring The Black Eyed Peas (timeless 収録)
I Gotta Feeling / THE BLACK EYED PEAS (THE E.N.D. 収録)


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2009年09月23日(水)
  1. K's今日の1曲
  2. ユニコーン
  3. ユニコーン SHINKIBA JUNCTION 2009 また倶知安じゃないジャン!@新木場STUDIO COAST 9月21日 セットリスト

UNICORNユニコーン)の夏フェス巡業『日本の夏 勤労の夏』。
9月に入ってもはや夏フェスと言っていいかわらかないけど、
新木場STUDIO COASTで行われたSPARKS GO GO主催のイベントSHINKIBA JUNCTION 2009 "また倶知安じゃないジャン!"でトップバッターで登場した際のセットリストです。

"WAO!"ではスパゴーのテッチが登場し、川西さんとのツインドラムを披露したそうです!

余談ですが、スパゴーは私の大好きな"恋をしましょう"をやったらしい。
行きたかったなぁ。

スパゴーのライブの時には、阿部Bと民生がそれぞれゲストで登場したそうです。
Band Has No NameAbex GO GOですか?


2009.09.21 UNICORN SHINKIBA JUNCTION 2009 "また倶知安じゃないジャン!"@新木場STUDIO COAST SETLIST

01. ひまわり
02. 服部
03. オッサンマーチ
04. BLACKTIGER
05. R&R is no Dead
06. すばらしい日々
07. WAO!
08. ヒゲとボイン
09. HELLO


ユニコーンツアー2009"蘇える勤労" ツアースケジュール&セットリスト集
ユニコーン "日本の夏 勤労の夏" スケジュール&セットリスト集
シャンブル 各曲レヴュー

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2009年09月22日(火)
  1. K's今日の1曲
  2. LIVE (2009)
  3. MAGMA 09@横浜BAY HALL(DISCHARGE、G.B.H.、THE EXPLOITED 他)

MAGMA REAL ROCK FESTIVALとして2007年に沖縄や横浜で始まったハードコアフェス(パンクというよりハードコアです)が今年2009年には横浜BAY HALLにてMAGMA 09として2日間に渡って開催。

その2日目に参加してきました。

出演は、
DISCHARGE (UK)、G.B.H. (UK)、THE EXPLOITED (UK)、HARLEY'S WAR (US)

COBRA (JPN)、LAUGHIN' NOSE (JPN)、EXTINCT GOVERNMENT (JPN)、BATTLE OF NINJAMANZ (JPN)
HAT TRICKERS (JPN)、DJ ヒカル (JPN)、DJ DADDY-O-NOV (JPN)、DJ YOUicTHi-raw (JPN)

ディスチャージに、G.B.H.に、エクスプロイテッドっていったいどうなってんの?
熱すぎでしょ?このメンツ。
HARDCOREというジャンルを作った3バンド、というかHARDCOREそのものと言っても過言ではないですね。

特にディスチャージに至っては、彼らの音を表すためにハードコアってジャンルができたとも聞いたことありますし。


そんなわけでいざ横浜ベイホールへ
…行こうと思ったら、最寄り駅の元町・中華街駅から若干離れてる上に結構辺鄙なとこにあって若干道に迷った。。。

同じく道に迷ってる人で、鋲のいっぱい付いた皮ジャンをまとい、モヒカン頭のパンクスがいたのはちょっと面白かったけど。
(駅前の地図を見てキョロキョロしてたりとかして…)


で、なんとか到着し、中へ。
入ってすぐのとこにdisk unionが中古CDやらレコードを売ってたので、ついつい立ち止まってCD3枚買っちゃった。

元々開演してから1時間くらいたってからしか行ってない上に、入ってすぐ足止めくった(自らだけど…)ので、すでに2組目のBATTLE OF NINJAMANZの終りのほうからしか見れず。
アップライトのベースがかっこよく、音もパンクなんだけど、MCとかなんかが3枚目な感じでおもろかった。

次も日本のバンド、EXTINCT GOVERNMENT
今回個人的にはディスチャージに、G.B.H.に、エクスプロイテッド以外はラフィン・ノーズくらいしかよく知らなかったのですが、このEXTINCT GOVERNMENTはかなり良かった。
ヴォーカルの人の外国人のような顔立ちもイケてた。
演奏中に客にビールを缶ごとぽんぽん投げ渡しまくってたのも印象的でした。


ライブとライブの間はDJたちが回してた。
DJ ヒカルとか久々にみたな。


続いてHARLEY'S WAR
アメリカのバンドらしいです。
ヴォーカルの人がなんかレッチリのフリーっぽい(ベースだからというか雰囲気が)。
このイベントの他の出演者に比べ、ビートに緩急があったな。


で、次のLAUGHIN' NOSEはもうベテランの貫録で、盛り上がった。
COBRAもなかなか。


そして、ここからがメインでございます。

まず先陣を切るのはG.B.H.。(初日はトリだったようです)
最初に書いてしまうと、この3バンドの中で一番かっこよかった。
何よりもそのルックス。
年齢は詳しく知らないけど、ヴォーカルのColin Abrahallコリン・アブラホール)のその年代の人にしては引き締まったスタイルに即やられらた。
ギターとベースもオリジナルメンバーらしく、彼らもカッコよかった。
そしてもちろん音。
ファスト、ラウド、ハードなだけでなく、メロディも意外とはっきりしてて現在でも通用する曲も多いね。
"Diplomatic Immunity"〜"Time Bomb"の流れとか超ヤバイ。
途中、UK SUBSのチャーリー・ハーパーが呼びこまれて、コリンとツインヴォーカルを披露するなんてハプニングもあり!
(ま、チャーリーは会場内をウロウロしてたので、絶対どこかで出てくるとは思ったけどね)
後は、"Sick Boy"あたりの盛り上がりもハンパなかったです。
"City Baby Attacked by Rats"のコールアンドレスポンスも決まりほんと最高でした。
もうすぐHel Cat(Rancidのティムのレーベル。ティムはG.B.H.のファン)から新作も出るそうなので、楽しみですね。


G.B.H.の期待以上のステージを見せられたらもっと期待してしまうのは、次のDISCHARGEですね。
が、感想はと言えば、正直微妙でした。。
ヴォーカルのAnthony "Rat" Martinのルックスが…

さっきからルックスがって話を書いてますが、個人的にパンクとは、もちろんサウンドや思想が重要(ジョー・ストラマーも"Punk Is Attitude"って言ってますし)だとは重々承知してますが、私がパンクに惹かれれるのはやはりルックスからにおい立つあのカッコよさも大きな要因の一つだったりします。
あのSex PistolsだってThe Clashだって、あの人々を惹きつける色気もあったからこそ、彼らを歴史に残る存在たらしめてる気がするんですが、どうでしょう?

というわけで、ラットのルックスに萎えつつも、ライブを観る。
でも、オリジナルメンバーであるベースのRoy "Rainy" Wainrightのまるで仙人のような怪しいルックスのカッコよさでなんとか持ち直し、Tony "Bones" Robertsのギターにしびれ、結局楽しんでしまいましたが。
"Never Again"とか"State Violence State Control"とか聞けたし。
でもやっぱラットに痩せてもらうしかないな…
てか、やっぱりCalが観たい!


とまぁ、G.B.H.とDischargeの現在をまざまざと見せつけられた後は、本日のトリ、THE EXPLOITED
まぁさっきのディスチャージの件もあるし、過剰な期待はせずにエクスプロイテッドに臨む。
で、メンバー登場。
ギターの人はアメリカンロックでもやりそうなルックスで、ベースの人はG.B.H.Tシャツを着て、頭はドレッド。
なんか不安になったところで、ヴォーカルのWalter "Wattie" Buchan登場!
さっきのラット以上の腹…
が、なぜかカッコイイ。
顔はゴリラ並みの迫力。
が、なのにカッコイイ。

これが貫録ってやつか。
しかも、マイクを頭にゴツゴツをぶつけまくってるし・・・
アメリカあたりにいそうなプロレスラーみたい…
ビールをガブガブ飲みまくり(しかも、口からこぼしまくり)。

で、演奏が始まったんだけど、さっきの不安とは裏腹にめちゃかっこいい。
DischargeのTシャツを着たワッティーは暴れるというか、突進してくるような勢いが歌い方にもアクションにも表れててかなり良い。
あのトレードマークのモヒカンがなんか猛獣の角のよう。

そんなバンドがハードコア史に残る名曲を連発するのだから悪いはずがないですね。
G.B.H.の時のようにチャーリーも飛び入りしたりして盛り上がった。

トリということでアンコールもあり、"Sex & Violence"を客をステージにいっぱいあげて歌わせたりとかして2,3曲やって大団円。

うーん、お腹いっぱい。

このジャンル(ジャンル分けするのはよくないのは重々わかってますが…)でこれ以上のラインナップをそろえることは今後無理でしょうね。
特にUK勢では。

次はUSハードコアでこれくらいのメンツをそろえて下さい!

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カテゴリ : LIVE (2009) ・ comments(0) K 
2009年09月21日(月)
  1. K's今日の1曲
  2. LIVE (2009)
  3. The PRODIGY WARRIOR'S DANCE FEST@幕張メッセ(MSTRKRFT / AUTOKRATZ / Hadouken! 他) 感想&セットリスト

幕張メッセにて開催された屋内レイヴフェス、WARRIOR'S DANCE FESTに行ってきました。

ヘッドライナーにプロディジーを迎えたフェスの出演者は以下。

The Prodigy / Pendulum Dj set & MC Verse / Hadouken!
MSTRKRFT / autoKratz / South Central
DJ Gedo Super Mega Bitch / Opening DJ YSK


用事があって開演から30分後位に会場着。
入場のところで無駄に並ばされてちょっと萎えた。
サマソニで十分承知してるけど、相変わらずCreativemanの運営はイミフすぎます。。

中に入るとSouth Centralがプレイ中。
基本は2人でDJでたまに1人がキーボード弾く感じ。
MGMTの"Kids"やMuseの"Knights of cydnia"などこれで盛り上がらないはずのない大ネタも飛びだしてた。

以下、各アクトの後は10〜15分ほどのセットチェンジを挟む形で進行。
ちなみにステージ右側のちっこぃDJセットと、左側(というか8割がたを占める)がメインのライブステージって感じのとこで交互に演奏。


次はメインのほうでautoKratz
2人組。
こっちは数曲で1人がヴォーカル(とギター)を取る感じ。
ヴォーカルが入るとその頼りない歌声とギターの音がNew Orderを彷彿とさせる感じでした。
まぁヴォーカルなしで突っ切るか、全部ヴォーカル入れるかどっちかにしたほうがいいかもって思っちゃいましたが。
Primal Screamの"swastika eyes"ネタがありました。


続いてDJセットでMSTRKRFT
元々ロックバンド(Deathe From Above 1979)をやってたからってわけではないと思いますが、結構アグレッシブなサウンド。
QUEENボヘミアン・ラブソディとかまで飛び出しましたが、かなりアゲアゲでした。
個人的にはその前にチューハイを一杯飲んでたこともあり、途中から気持ちよくなってしまいました。


次はHadouken!
今日の出演者の中では唯一ロックバンドと言ってもいいですね。
演奏のほうはお世辞にも上手いとは言えない感じでしたが、ベースの音とか低音がかなり効いてて、気持よかった。
勢いあまってヴォーカルの人が三点頭立をしたのはウケたけど。。


そしてPendulum Dj set & MC Verse
今回はDJ仕様だったんだけど、MCの人がいたので、ほぼライブって感じでしたね。
3曲目あたりで早速MCがステージから降りて客席のほうに行ったり、最後のほうにはDJセットを超えてライブステージのほうまで行っちゃってた。
その勢いを表すように音も勢いがあってかなり良かったです。


ペンデュラムが終わり、プロディジーまで小休憩。
DJ Gedo Super Mega Bitchが回してた間、床に座ってたらウトウト寝てしまってた。。。
ちなみにこの人、Prodigyのキースの奥さんらしい。
(のちにネットとかでこの日の評判を観ると、イマイチだったらしいけど・・・)


さて、最後、トリはお待ちかねのThe Prodigy
個人的には15年くらい前から知ってるし、好きなんだけど、これまでなぜかライブを観ることがかなわず。
単独はおろか、フジロックやサマソニで来た時も違うアーティストを観て、スルーしてたので。

というわけで、初プロディジー。

予定時間より15分ほど押してメンバー登場。
1発目は最新作"World's on fire"でいきなりガツンとスタート。
ステージ中央に陣取るリアムを中心に、キースとマキシムが暴れまわる。
ドラムやギターもいてかなりロッキン。

そして2曲目で早速"Breathe"をぶちかます。
最新作も結構良かったけど、やっぱ『Fat of the Land』の曲はやばすぎ。
特にこの"Breathe"は格別!
そこからの新作からのシングル"Omen"に続く展開は圧巻。
すごすぎてもうキースの腰にまかれた幅の広いベルトが王者のチャンピオンベルトにしか見えない(笑)

"Breathe"でもテンションあがったけど、個人的に一番テンションあがったのは"Poison"。
マキシムの妖しいヴォーカルがたまらないんだよなぁ。

マキシムがキメた後は、このイベントの名前の由来にもなっている"Warriors dance"を挟んで、キースの出番。
キースを際立たせるようにライトが当てられ始まったのは、そう"Firestarter"。
プロディジーが世界制覇へと踏み出した第1歩の曲だと思います。
ついPVでのキースのように頭を振って踊りたくなりますね。
(あー、逆モヒカンだった時のキースをライブで見てみたかったなぁ。)

その後も新作を中心に旧作の代表曲を織り交ぜながら進みライブのクライマックスへ。
本編最後は"Smack My Bitch Up"。
客席も踊り狂いながら合唱も起こるというテクノとロックを融合させたプロディジーならでは。
途中、客を全員床にしゃがませ全員で一斉のジャンプさせたりして、大盛り上がりでした。

ここでいったんメンバーが下がりほどなくしてアンコール。

アンコール1曲目は"Take Me To The Hospital"。
一番新しいアルバムからの曲だけど、初期のハードコアテクノな時代の音にもきこえるところが個人的にはなかなかツボです。

そして、オーラスはそんな初期の曲"Out of Space"で終了。
私の大好きなマックス・ロメオの"I Chase The Devil"を元にしてるってだけで悪いはずがないです。
最後にチルな感じにしたおかげで逆に祝祭感があって良かったかな。


観るまではさすがに「もう旬は過ぎたよなぁ…」って思ってたけど、これだけ楽しかったら旬なんて関係ないよなぁって思った、初プロディジーでした。


以下、セットリスト

2009.09.21 WARRIOR'S DANCE FEST@幕張メッセ Setlist

・The Prodigy Setlist
01. World's on fire
02. Breathe
03. Omen
04. Thier law
05. Poison
06. Warriors dance
07. Firestarter
08. Run With The Wolves
09. Voodoo people
10. Omen Reprise
11. Invaders must die
12. Diesel Power
13. Smack My Bitch Up
---encore---
14. Take Me To The Hospital
15. Out of Space

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Poison / the prodigy (MUSIC FOR THE JILTED GENERATION 収録)
Omen / The Prodigy (Invaders Must Die 収録)
SONICMANIA 2015@幕張メッセ (MARILYN MANSON、THE PRODIGY、Perfume 他) 感想&セットリスト #ソニマニ
Liquid Lives / Hadouken! (Liquid Lives 収録)
Declaration Of War / Hadouken! (Tales for an Accelerated Culture 収録)
STREET JUSTICE / MSTRKRFT (THE LOOKS 収録)
I CHASE THE DEVIL / MAX ROMEO (WAR INA BABYLON 収録)


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2009年09月20日(日)
  1. K's今日の1曲
  2. Australian / New Zealand
  3. Science Of Fear / The Temper Trap (Conditions 収録)

 オーストラリアはメルボルン出身の4人組新人バンド、The Temper Trapザ・テンパー・トラップ)がデビューアルバム『Conditions』を発表。本国オーストラリアチャートでは9位、またイギリスでも32位のヒットになっています。プロデュースはJim Abbissジム・アビス)。かつてMuseやAsh、Garbageなどの作品をリリースした後、一時活動を停止していたレーベル、Infectious Recordsインフェクシャス・レコーズ)がこの作品のために復活してリリースされたというところからも期待の高さが伺えます。BBCの「Sound of 2009」にも選出されています。

 まずは新人なのでメンバー紹介。
・Dougy Mandagi(ダギー・マンダギ) - vocals, guitar
・Jonathon Aherne(ジョニー・エイハーン) - bass
・Lorenzo Sillitto(ロレンゾ・シリット) - lead guitar, keyboards
・Toby Dundas(トビー・ダンダス) - drums

・The Temper Trap - Science of Fear [OFFICIAL VIDEO]


 この"Science Of Fear"は、『Conditions』からシングルとしてカットされた曲。ドラムンベース調のリズムに絡んでくる広がりのあるギターがカッコイイ。特に後半にかけての盛り上がりがいいですね。どちらかというとニューウェイビーな感じですが、アルバムの他の曲にもいえますが、このテンパー・トラップを「お、なんか違うな」って思わせるのが、タギーのヴォーカル。ファルセットを多用したスムースでソウルフルな声が、サウンドと混ざり合ってるのが面白いですね。

 そんな彼らは早くも今年のSUMMER SONIC 2009での来日を果たしています。私も幕張メッセで見たのですが、見た目の地味さ(失礼。。。)とは裏腹に新人とは思えないライブを見せていました。"Drum Song"のようなバンドアンサンブルだけで1曲突っ切っていくような曲もバッチリキマっててて盛り上がりましたね。ちなみにサマソニ3日目のSONIC STAGEのトリだったFLAMING LIPSフレーミング・リップス)の舞台上にいっぱいいた着ぐるみの1体にドラムのトビーが紛れてたそうです。

 サマソニでライブを観ながら2004年に同じくサマソニで初来日したBLOCK PARTYブロック・パーティー。以下BP)をなんとなく思い出した。ヴォーカルのルックス(BPのケリーは黒人で、Temper Trapのダギーはインドネシア系で褐色)と音の雰囲気がなんか連想させるものがあって。BPの最初の印象は演奏は下手だけど曲が超カッコイイって感じが、ライブを観るたびに演奏もそして作品も凄くなってったんですが、テンパー・トラップは最初からこんな感じだと将来が空恐ろしいですね。ま、逆にこれ以上の糊しろがあるのか気になるところですが・・・

 ちなみに彼らはU2MUSEのようなスケール(サウンドだけではなく、その成功も)を目指しているそうです。

 10月には東京と大阪でそれぞれ1夜ずつショーケースライブでの来日が決まっています。サマソニで見逃した人は必見です。彼らのオフィシャルサイト等から応募できるようです。

THE TEMPER TRAP ショーケースライブ
■東京公演
THE TEMPER TRAP PREMIUM LIVE
日時: 10月9日(金)  場所: 恵比寿LIQUIDROOM
制作協力:クリエイティブマン

■大阪公演
FM802 / Sony presents REAL GENERATION LIVE
日時: 10月7日(水)  場所: BIG CAT

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2009年09月19日(土)
  1. K's今日の1曲
  2. 映画
  3. 映画『パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ』 Patti Smith: Dream of Life

 シネマート新宿にてNYパンクの女王ことPatti Smithパティ・スミス)のドキュメンタリー映画『パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ』を観てきました。公式サイト

・映画『パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ』予告


 監督は写真家のスティーヴン・セブリング。彼が11年にもわたってパティに密着して撮影された作品です。2008年のサンダンス映画祭ではベスト・シネマトグラフィ賞を受賞。

 Patti Smithは私が大好きなアーティストで、今年のフジロックでのステージももちろん観たし、過去にもフジロック2回と単独で計4回ライブを観たことあり、そのどれもがパワフルで圧倒的なステージングでした。今作品では、そのパティのパンクロッカーとしても一面というよりも、2人の子供の母であり、もちろん娘でもあり、夫フレッド・"ソニック"・スミスを亡くした妻であり、弟トッドを亡くした姉であり、アルチュール・ランボーボブ・ディランに憧れる少女であった、1人の女性としての側面にスポットを当てたような作品でした。

 基本的にはパティの語りによってほとんどそれ以外の説明もなく淡々と進んでいく形式で、ネット上で感想を書いている人の中には「単調で永遠に続くかのようだった」とか書いてる人もチラホラいたけど、個人的にはむしろいつまでも続いて欲しいと思う心地よさがありました。

 なんていっても、その画面に収まるだけで絵になってしまうその佇まいのカッコよさ、そして喋るだけで詩の朗読になってしまうようなその声の深さ。もうそれだけで永遠に観ていたい気持になるくらい。

 印象的だったシーンをいくつかあげると、
フレッドが亡くなった後、詩人であるアレン・ギンズバーグから「旅立った者の霊を放ち、君は人生を謳歌しなさい」と言う言葉を贈られるシーン、
旧友の故ロバート・メイプルソープから誕生日に贈られたタンバリン(アルバム『Twelve』のジャケットになってます)が出てきたところ、
ランボーゆかりの地を訪ね歩く(墓石に乗ったりしてた!)ところ等々。

 他にもジョージ・W・ブッシュを弾劾するシーンは熱くなったし、後、日本のファンにとっては日本でのシーン(フジロックとか)があったのがうれしかったですね。レッチリのフリーとの小便がどうたらこうたらってシーンは笑えました!

 娘のジェシーの子供時代がむちゃくちゃ可愛かったのと、息子のジャクソンが出てきたとき、彼が将来WHITE STRIPESメグ・ホワイトと結婚するのかぁとか思ったり、ファンにとっては見所満載でした。

 ファン以外が観るとどういう感想を抱くのかわかりませんが、少しでもパティ・スミスに興味がある人はぜひ見たほうがいいと思います。

原題:Patti Smith: Dream of Life
監督:スティーブン・セブリング
製作:スティーブン・セブリング、マーガレット・スミロフ、スコット・フォーゲル
撮影:フィリップ・ハント、スティーブン・セブリング
編集:アンジェロ・コラオ、リン・ポリト
製作国:2008年アメリカ映画
上映時間:1時間49分
配給:トランスフォーマー

・Patti Smith Fuji 2001


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Pastime Paradise / Patti Smith (twelve 収録)


カテゴリ : 映画 ・ comments(0) K 
2009年09月18日(金)
  1. K's今日の1曲
  2. UK Rock (2000年代)
  3. Crying Lightning / Arctic Monkeys (Humbug 収録)

 2000年代半ば、彗星のように登場し、一躍UKロック界の寵児となったArctic Monkeysアークティック・モンキーズ)が早くも3枚目となるアルバム『Humbug』(ハムバグ。たわごと、ナンセンスの意。縞々の薄荷キャンディーの名前でもある)をリリース。全英1位、全米15位を記録してます。

・Arctic Monkeys - Crying Lightning (Official Video)


 この"Crying Lightning"は『Humbug』からの1stシングルで、デジタルダウンロードだけで全英12位を記録。ヘヴィなベースのリフから始まるイントロに象徴されるようにこれまでの彼らの楽曲に比べグッと重心を落としたバンドアンサンブルを聴かせてくれる曲ですね。聞けば聞くほどそのサウンドの虜になってしまうような魅力があります。

 このサウンドのキーになってるのはやはり、アルバムの全10曲中7曲のプロデュースを手がけたQueens Of The Stone Ageクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ)のJosh Hommeジョシュ・オム)の影響が大きいと思います。それとサフォークの農場やカリフォルニアのモハベ砂漠というレコーディングの環境もそのどっしりとした広大な音に影響を与えているんじゃないでしょうか。

 正直1stの『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット』が大好きだった私にとってその1stの音を期待して聞いた2nd『フェイヴァリット・ワースト・ナイトメアー』はどこか消化不良だったのですが、この3rdでのサウンドの変化(というか進化と言ってもいい)は、もはや1stがどうとか言ってる次元に彼らはすでにいないんだなと思わせる有無を言わさぬカッコよさがあります。

 ライブDVD『At the Apollo』の監督Richard Ayoadeが撮ったこの"Crying Lightning"のミュージックビデオで、荒波の中航海していく小船に乗った彼らの行く手には、曲を演奏する巨大な彼ら自身が登場するんですが、なんかそれが、目指す先にはもはや自分自身しかいないって感じがして凄くいいです。まぁ今や彼らの乗ってるのは小船ではなく大きな船だと思いますけど。

 アルバムの他の曲では『In Utero』期のNirvanaを髣髴とさせる硬質なリフで疾走する"Potion Approaching"や、前作を手がけたSimian Mobile Discoシミアン・モバイル・ディスコ)のJames Fordジェイムス・フォード)プロデュースによる"Cornerstone"などもお気に入り。

 デビュー4年でここまできたら、今後どうなっていくのか楽しみですね。10月には日本武道館公演も決まってますが、このアルバムの音を聞かされるともっとでかいとこで聴いてみたくなりますね。

・Arctic Monkeys 来日公演
2009年10月19日(月)@日本武道館 open18:00/start19:00

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No One Knows / Queens Of The Stone Age (Songs For The Deaf 収録)


カテゴリ : UK Rock (2000年代) ・ comments(0) K 
2009年09月17日(木)
  1. K's今日の1曲
  2. UK Rock (2000年代)
  3. Bulletproof / La Roux (La Roux 収録)

 UKはロンドン出身のEleanor "Elly" Jacksonエリー・ジャクソン)とBen Langmaidベン・ラングメイド)によるユニット、La Rouxラ・ルー。フランス語で"赤毛"の意)のデビューアルバム『La Roux』(全英2位)収録。この"Bulletproof"はアルバムからの3rdシングルとしてリリースされ全英1位を獲得。(2ndシングル"In for the Kill"は最高2位)

・La Roux - Bulletproof


 エレクトロなバックトラックに乗って中性的なルックスの女性ヴォーカリストが歌うってところでEurythmicsをすぐに連想してしまいますが、陰鬱な印象を受けるユーリズミックスに比べ、ラ・ルーのほうがもっと明るいイメージがします。

 La Rouxは英BBCの選ぶSound of 2009で第5位に選ばれています。そこで1位に選ばれていたリトル・ブーツにも言える事だけど、彼女たちのように若い女性たち(エリーは20歳!)がリアルタイムでは体験していないであろう80sないわゆるエレポップに影響を受けてるのが面白いですね。

 次のシングルに予定されている"I'm Not Your Toy"もプリンスみたいな感じがして好きです。アルバムはマーキュリー・プライズにノミネートされているそうです。

 11月には来日が決定。今のところ東京1公演のみ。必見です。

・9/23(水・祝) 代官山UNIT

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2009年09月15日(火)